住み慣れた家で家族と一緒に自分らしい療養生活を送る。それが在宅療養の魅力とよく言われます。そのためには医療や介護の立場から支援を受け、ご本人が不安なく安心して自宅で過ごせることと、ご家族にとっても大きな負担なく介護が続けられることが必要だと思われます。無理せず、心地よく、ご家族皆さんが自分たちの生活スタイルに合わせて過ごされますよう、私たちは皆さんの気持ちに寄り添いながら、力を尽くして支援させていただきます。それが在宅療養を支える医療・介護職の務めであり、喜びでもあります。

５０年ほど前までは、自宅で看取ることは珍しいことではなく、８割以上の方が自宅で最期を迎えられました。今では逆に病院で亡くなる方が大半となっていますので、家族を自宅で見送ったという経験を持つ方が少なくなりました。それは、私達のように病院に勤める者にとっても同じです。
そのため、ご本人やご家族が自宅で最期を迎えたいと希望されても、周囲から「なぜ入院しないのか」「入院させないのは可哀想じゃないか」と言われることも多く、家族の気持ちは大きくゆらぎ、不安になります。もちろん、入院すれば老化がとまり元気になって亡くならないなどとお考えの方は一人もいらっしゃらないと思います。
少しでも長く住み慣れた自宅で過ごし、家族に見守られながら最後を迎えるためには、ご本人とご家族が医療・介護従事者と一緒に本当に納得できるまで話しあうことが必要です。そしてその時には、今後どんなことが起こり、その時にどう対応したらよいのかといった説明をしっかりと聞いていただき、分からないことがあれば、遠慮なく尋ねてください。
安心して最期まで自宅で過ごしていただくために、在宅医療に携われるものは２４時間体制で、ご本人とご家族をしっかりと支え、見守っています。私達は常に皆さんのそばにいます。